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パネルディスカッション

 

コーディネーター

中村昌宏(徳島文理大学 教授)

パネリスト

橋本亮平(JTB徳島支店 支店長)

縄手雅守(足助町観光協会 理事・事務局長)

 

○中村

2010年には世界の観光客が現在の2倍近い約10億人に達すると予測されております。大交流時代を迎え、その結果、ますます地域間競争が激化することが予想されます。

こうした環境下にあって、本県の国際交流の状況を見てみますと、水準としては絶対数では非常に劣り、全国でも下位ですけれども、その伸び率を見ると、中位以上をキープしている状況ではなかろうかと思います。先行きは非常に明るいものも感じられる次第でございます。

ご承知のとおり昨年4月に明石海峡大橋が開通し、徳島も観光を取り巻く環境が大きく変貌を遂げたわけでございます。しかしながら、1年後の今年5月、しまなみ海道の開通に伴いまして、そのブームにも、やや陰りが見えている感じがします。

こういった時期におきまして、観光を真剣に論ずるということは非常に大きな意義があるのではなかろうか、かように考えている次第でございます。

○橋本

98年度の観光客受入れ状況の数値につきましては、各種観光施設、平均すると、大体30%から40%伸びたと、脇町あたりは216%伸びたというようなことも聞いております。去年は大きなイベントが長野オリンピック以外になくて、観光的な部分では明石海峡大橋ができたということですべてがここに注目が集まって、このような数字に結びついたのではなかろうかと思います。

それから、1万人規模のコンベンションが4つほどございました。徳島の規模の地方都市で1年のうちに4つも集まったというのは、かつて日本の中でもなかったことだと思うのです。

一方、今年度の状況ですけれども、結果はやはり一過性と言わないまでも去年よりはかなり数字が落ちています。大体7月累計の数字を見ていますと、各観光施設は30%から40%落ちているようです。

これは一つは、一番の大きな原因は、やはりしまなみ海道ができたというところで、同じ四国のしまなみ海道のほうにシフトしたのではなかろうかと、そのように分析しております。

一つはどんな施設でもそうなんですけれども、こういう現状を打破し、リピーターを増やすためにどういうふうな施策を官民挙げてこれから講じていくかということが大事だと思いますので、あとの分科会の中でいろいろ話をしていけたらと思っております。

それから、徳島県の観光資源について、JTBの観光地を分析する指標で特A級、A、B、C、Dと、5クラスありますが、徳島にはそれらがどれだけあるのか、ブラッシュアップするにはどうなのかと、ほかにもっとあるのではないかというお話もできればと思っております。

最後に今日の本題の国際観光の取り組みについて少し触れたいと思います。日本人の国内旅行の数はそうは伸ばせないと思うのです。観光客を飛躍的に伸ばすために、やはりまず狙うターゲットは、アジアだと思うのです。アジアのお客様はどんなふうな嗜好を持っていて、呼び込みをしなければならないかということも後で分科会でお話しできたらなと思います。

 

 

 

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