(3) 災害ボランティア活動の形態
災害ボランティア活動とは、本調査においては、流出油災害における一般市民等による無償の油回収活動のことを指すものと定義付けた。
ナホトカ号事故に際しては、ボランティアによる現場での直接的な油回収活動のほか、当該活動を側面・後方支援することを目的としたボランティアによる様々な協力活動も併せて行われていた。これら一連の協力活動についても、本調査では災害ボランティア活動の一環であったと考えるのが妥当である。
当該協力活動の具体例としては、第一にボランティアの受け入れ組織等における炊き出し、渉外、情報収集・伝達、物資管理等の側面・後方支援活動が挙げられる。次に、地元医師会や地元鍼灸マッサージ師協会等によるボランティアの健康管理に関する奉仕活動なども、広義における協力活動であったものと考えられる。
さらに、ボランティアに対する適切な情報伝達、交通整理等の手段として、被災地はおろか東京をはじめとする全国各地で様々な形で立ち上げられた、一般市民等によるインターネットのホームページなども当該協力活動の一つであったものと考えられる。