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第1章 「序論」

 

本章では、初めに本調査の目的及び概要について述べる。次に、本調査に必要な基礎的事項の把握を目的に、我が国の「油汚染事件への準備及び対応のための国家的な緊急時計画」及び「防災基本計画」における本調査関連部分等について整理を行った。また、本調査を進めるに当たっての参考事項として、地震災害等におけるボランティア制度に関し、本調査関連部分についての整理を行った。

 

1.1 調査目的

 

我が国では「油汚染事件への準備及び対応のための国家的な緊急時計画」(以下、「国家緊急時計画」と呼ぶ。)において、油汚染事故に際しては官民関係者が一体となって準備及び対応の体制整備に取り組むことが重要であるとした上で、民間による協力活動の内容に触れられている。

平成9年1月に発生したナホトカ号による重油流出事故の際には、こうした民間協力活動の一環として、災害ボランティア活動(本調査では、流出油災害における一般市民等による無償の油回収活動のことをいう。)が行われたほか、野生動物救護ボランティア活動(本調査では、流出油災害における獣医師団体等による無償の野生動物の救護・保全活動のことをいう。)等も行われた。

ところで、災害ボランティア活動については、ナホトカ号事故で得た経験・教訓、すなわち安全面での問題、専門家等による防除活動との連携問題等が検討すべき課題として残されている。

本調査はこのような状況に鑑み、特に災害ボランティア活動に着目し、ナホトカ号事故で得た経験・教訓を踏まえ、検討すべき課題を整理するとともに、当該課題の解決方法について考察を行うことにより、国家緊急時計画に則った準備及び対応の適切な実行の一助とすることなどを目的とする。

 

 

 

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