日本財団 図書館


2. 新津波警報伝達装置の概要

本システムで用いる小型ロケット式信号弾及び同打上装置、標識信号、性能基準などにいて述べる。

本装置の性能基準として開発当初、発音信号弾の信号音圧を直下では打上者やその近くに居る人達の鼓膜を傷めないことを考慮して130dB以下、打上場所から5kmの地点で80dB以上、伝達半径5kmと設定したが、その後の公開実験や社内試験、発煙信号の付加により、

○直下での音圧は常に110〜120dBの範囲であるため「直下で約110dB」

○5km地点での音圧は80dBを確保できるため「5km地点で約80dB」

○伝達半径は5km地点での音が小さい、海上では船のエンジン音や波の音で聞えないのではないかとの意見が多く、また付加された発煙信号も5km地点では小さくなり視認距離としては4kmが妥当であることから、発音・発煙信号の「伝達有効半径は4km」

とした。その他の機器類の基本的要目等は当初から変えていない。

 

(1)構成

新津波警報伝達装置の構成及び形状は次のとおりである(写真-1参照)。

1]打上装置……1台

2]リモコンケーブルと遠隔操作盤……1セット

長さ10mのケーブルの端に遠隔操作盤が接続され、打上装置の中に収納する。

遠隔操作盤は電源として乾電池(単1×4個=6Vと積層型×1個=9V)を内蔵している。

3]信号弾付発射筒……6セット(1番〜6番)

信号弾は発封筒に組み込まれており、これを1セットという。3セット(1番〜3番)は最初から打上装置の中に組み込んでおくと直ぐに打上げ可能である。

 

(2)構造

新津波警報伝達装置の構造は概略次のようになっている。

1]信号弾付発封筒

四角柱の発射筒に円筒状の信号弾を収納した構造で、遠隔繰作盤の発射ボタンを押せば信号弾が発射される。四角柱は信号弾のガイドである。

2]信号弾

推進筒部、発音筒部又は発煙筒部、落下傘等から構成されている(図-3参照)。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION