日本財団 図書館


出湾時における情報入手に関してもほぼ同様の傾向が現れており、「航路航行制限」、「錨泊船の情報」、「通航船舶の情報」および「操業漁船の情報」以外の情報については、伊良湖水道航路入航の1〜5時間前に入手し、当該四情報については、相対的に航路に接近してからの入手がよいとする回答が多かった。

 

7. 考察

 

7.1 航行管制業務について

既存の海上交通センターの航行管制業務に対しては、現状にて特に問題ないとする旨の意見がある一方で、外国船、小型船および操業漁船に対する適切な指導を望む声が多かった。

また、伊良湖水道航路における現在の航行管制業務に対しても、巨大船等だけでなく、小型船や漁船に対して適切な指導体制を望む意見が寄せられている。

航行管制が敷かれている航路においては、船舶の輻輳度、自然条件等により個々に特別の交通方法が定められているが、航路航行船の安全な通航を確保するためには、漁船も含め航路付近における全ての船舶に対し、適切な指導・管制が必要と考えられる。

伊良湖水道航路における巨大船等の管制については、入航時間間隔の見直し、管制対象船型の見直しと共に弾力的な運用が望まれている。

船舶の大型化が進み、伊良湖水道航路を利用する巨大船が増加している状況下においては、巨大船の航路航行のため、航路外にて待機する船舶の数および待機時間が必然的に増加しているものと考えられると共に、ルール一辺倒の管制体制では、利用者の負担が今後益々大きくなることも予想される。

総じて求められているのは、現場の状況を正確に把握した上での安全且つ効率的な航行管制であることから、今後はその点を踏まえた管制体制の構築を検討することが重要と考えられる。

7.2 情報提供業務について

今回のアンケートでは、既存の海上交通センターにおける情報および伊良湖水道航路における情報に関して、様々な意見が寄せられている。特に、伊良湖水道航路における情報に関しては、「巨大船の航行に関する情報の充実」、「操業漁船に関する情報の充実」等を主とした意見が多く寄せられているが、それらの意見の意図するところは主に以下の3つのポイントと考えられる。

1. 有用であること

2. 正確かつ最新の情報であること

3. 利用しやすいこと

これらはいずれも情報を提供する若しくは入手する上で極めて重要な要因と考えられる。

したがって、今後はこれら3つのポイントを考慮の上、情報提供体制の構築を検討していく必要があると考えられる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION