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1.3.5 自然環境のまとめ

伊良湖水道付近(神島気象観測所、平成9年)における風は、年間を通して北西の風が卓越しており、春、夏、秋には東および南寄りの風が出現している。風速10m/s以上の強風の出現率は年間で約23%であるが、冬は約34%と高く、その風向は西北西、北西が多い。

潮流は北西方および南東方へ流れ、最強流は夏期大潮期に南東流2.7ノット、北西流2.1ノットとなる。

霧は春に多くみられる。伊良湖水道航路で航行制限(視界1海里以下のとき)が行われた回数は、平成4〜9年の6年間で年平均5回、制限時間は長短さまざまであるが平均4.2時間/回(最長20時間)であった。

水先艇が航行困難となった気象海象状況は平成9年6月から平成10年5月に年間26回あり、強風または南〜南東からのうねりが大きい場合に起こっている。うねりは大きい時、伊勢湾1号灯浮標付近で4〜5mとなっている。

1.4 船舶交通実態

伊良湖水道付近海域は一日約1,000隻の船舶が航行しており、海上交通安全法の狭水道の中でも明石海峡、備讃瀬戸東部に次いで多い。通航船の大きさは100総トン未満が約700隻と約2/3を占めており、3,000総トン以上は1割未満である。船種は全体の約6割が漁船であり、海上交通安全法の他の狭水道に比べ漁船の航行が多いのが特徴である。漁船は02時〜05時、12時〜15時に交通量が多い。

伊良湖水道航路を航行する船舶は一日約300隻で、約半数が100〜500総トンの船舶であり、3,000総トン以上は約2割である。船種は5割強が貨物船で、約1割が漁船である。

通航時間は03時〜06時に北航、17時〜20時に南航のピークがある。

伊良湖水道航路付近での操業漁船は多いときで同時に約100隻が操業していることがあり、操業場所は伊良湖水道航路と伊良湖岬の間の水域が、操業時間は昼間6〜12時が比較的に多い。漁種は大半が一本釣りであるが、網、遊漁も行われている。

伊良湖水道航路の管制船舶は年間約6,400隻で、浦賀水道航路に次いで多い。危険物積載船を含む巨大船は年間約5,000隻で他の航路に比べ巨大船の割合が高い。管制船舶の北航船は、04時〜09時、南航船は11時〜12時および16時〜20時にピークがある。

(詳細については巻末資料1-1船舶交通実態参照)

 

 

 

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