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(3) 海洋生物殺滅効果

ミキサーパイプとオゾンの組み合わせ処理法による海洋生物殺滅効果は、次のようにまとめられる。

○プランクトンに対しては、1mg/L程度のオゾンを注入して同程度のオキシダントを生成するように漲水時処理することで、ほぼ完全な殺滅効果が得られると考えられた。

○バクテリアに対しては、処理直後には多くの細胞に対して殺滅効果を発揮するが、1mg/L程度のオゾン注入では、完全な殺滅には至らず、オキシダントの分解・減衰が進むと生残した一部の細胞が再び増殖すると考えられた。

○シストに対しては、処理直後から殺滅効果が表れ、それが2週間後に完全なものとなった。この結果により、シストに対しては、ミキサーパイプ単独では損傷を与えられないが、オゾンと組み合わせることによって殺滅が可能になることが明らかになった。

(4) 処理可能水量

ミキサーパイプ(パイプ内径約40mm)とオゾンを組み合わせた処理法では、多くの海洋生物に対して殺滅効果が得られるオキシダント1mg/Lの濃度は、海水流量180L/min.(ミキサーパイプ管内流速約2m/sec)に約10g/hrのオゾン注入で得られる。 実験に使用したオゾン発生機の最大オゾン発生量は、25g/hrである。オキシダント生成濃度が海水流量とオゾン注入量の関係で決まるとすると、最大オゾン発生量の25g/hrは450L/min.の海水流量に注入すると1mg/Lのオキシダント濃度が得られる。 先のミキサーパイプ単独処理法と比較する上で、400m3/hrの海水を処理すると仮定する。400m3/hrの海水の処理には、使用したオゾン発生機の約15台分の能力が必要となる。

このように、ミキサーパイプとオゾンの組み合わせによる処理可能水量は、現時点ではオゾン発生機の能力に依存する。

 

 

 

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