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(19) 海上における医療救助と無線医療救助の役割の重要性

フランスから提案された海上における医療援助制度に関するMSC回章案に対し、SAR WGは、海上における医療援助に関するSAR条約の改正が2000年1月1日に発行することに鑑み、非常に時期を得た提案であると認め、必要な修正を加えた。本MSC回章案はプレナリーで承認を得、次回のMSC72に付されることとなった。

(20) 1979SAR条約と相互責任

プレナリーにおいて、オーストラリアが実施している国際ヨットレース主催者や参加者に対する指導等が紹介され、各国はそれを記録した。

(21) SOLAS規則V/15(c)とSAR協力計画

英国から、英国籍旅客船は全てそのSAR協力計画を策定しており、それらはデータベースとして英国の全てのMRCC及びMRSCに保管され、各国の救助調整本部もそれらの情報を要請により入手可能である旨紹介された。

(22) SARとGMDSSに関するインド洋会議

プレナリーにおいて、IMOメトロポリス海上安全部長が、本件推進の重要性を訴えるスピーチを行った。これを受けてイタリアから、本件を促進するために2000年に、同国フローレンス地方でSARに関する国際会議を開催する用意がある旨発表した。我が国は、本件は財政的支出を伴うものであり、慎重な検討が必要である旨指摘したが、多数の国から本件の支持表明が相次ぎ、基金の創設に関しては承認された形となった。

SAR WGにおける検討の結果、通信の相手方、SARサービス、GMDSS機器の欠如する特定の地域が存在することから、IMOとしてこれらの状況に対応する必要性を認め、その地域として東西アフリカ、アジア及び太平洋の一部、中央及び南アメリカ並びに地中海地域を認め、その中でも最も対応の必要性が高い地域として東西アフリカを選んだ。また、本件基金による最終目標は、援助国のSAR条約加盟であるべきとされ、援助状況の報告、育成された人材の確保、基金使用状況の監査、基金のIMOによる適切な管理が必要であるとされた。

WGによる検討結果を審議するプレナリーにおいて、我が国は、WGの検討結果は内容的に基金の管理、運用にまで及んでおり、技術的事項を審議するために今次COMSARに出席している我が国代表としては係るWGの検討結果に対し何らコメントする立場にない旨発言し、本発言は報告書に記録されることとなった。

一方、我が国の発言に対し、SAR WG議長から、同WGの検討結果は技術的、運用的な範囲に止まっていると思料する旨の発言もあった。

(23) 捜索救助外からの遭難警報の受信

SAR WGは、DGにおいてノルウェー提案に基づくDSC及びインマルサット遭難警報受信時のMRCC/RCCにおける手続に関するMSC回章案を作成し、プレナリーでの承認を得た。本回章案は決議のため次回のMSC72に付されることとなった。

 

 

 

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