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き] 機関故障 危険ないようで 危険が迫る

 

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ひと昔前とは違い、機関の信頼性が増している今日にあっては、機関故障は少なくなってもよいはずですが、なぜか最近機関故障が増えています。

機関故障は、数年前まで減少の傾向を示していましたが、その後漸増傾向を続けています。特にプレジャーボートでは、海難の21%を占め、漁船(12%)とともにその数は増加しています。

貨物船では17%、タンカーでも15%と高い割合を占めています。

なお、沿岸小型漁船の機関故障については、僚船に支援、救助を受けることにより、海難の数として表面に出てきていないものもかなりあると思われます。

機関故障に陥ると、小型船については天候の急変による転覆や風潮流による陸岸部への圧流で座礁や転覆の危険性もあり、人命への影響も懸念されます。

また、タンカーや貨物船についても、特に沿岸に近い場所では、風潮流の圧流により岩場などに座礁し、積み荷油、燃料油の流出という二次災害を発生させるという最悪の事態となる恐れがあります。

機関故障で漂流している間に、刻々と危険が迫っています。

最近の機関・機器は、信頼性が向上し、船員などの使用者が細部を直接整備する部分は少なくなっていますが、メーカーにより示される定期的な点検は確実に実施することが大切です。

 

 

 

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