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まえがき

 

この辞書(じしょ)は、日本(にほん)に来(こ)られて定住(定住)しているラオスの人達(ひとたち)に対(たい)し、少(すこ)しでも日本(にほん)への定住促進(ていじゅうそくしん)が出来(でき)るよう日本語(にほんご)を理解(りかい)していただくため、作(つく)られたものです。

わが国(くに)に、ベトナム、カンボジア及(およ)びラオスの人達(ひとたち)が来日(らいにち)し定住(ていじゅう)してから20年以上(ねんいじょう)が経過(けいか)し、10,000人以上(にんいじょう)の人(ひと)が定住(ていじゅう)していますが、平成(へいせい)8年末(ねんまつ)に行(おこな)われた内閣官房(ないかくかんぼう)インドシナ難民対策連絡調整会議事務局(なんみんたいさくれんらくちょうせいかいぎじむきょく)の生活実態調査(せいかつじったいちょうさ)によりますと「現在(げんざい)困(こま)っている事柄(ことがら)」については、「日本語(にほんご)の能力(のうりょく)の問題(もんだい)」を挙(あ)げた者(もの)が「43.6%」と圧倒的(あっとうてき)に多(おお)く、更(さら)にその「日本語能力(にほんごのうりょく)の問題(もんだい)」については、日常生活(にちじょうせいかつ)の初歩的(しょほてき)な会話(かいわ)にはそれ程(ほど)困(こま)っていないのに対(たい)し、非日常的(ひにちじょうてき)な会話(かいわ)、読解(どっかい)、及(およ)びやや複雑(ふくざつ)な一般的(いっぱんてき)でない内容(ないよう)を含(ふく)む会話(かいわ)や読解(どっかい)については、かなりの者(もの)が困難(こんなん)を感(かん)じている状況(じょうきょう)が窺(うかが)われました。

当財団(とうざいだん)といたしましては、この点(てん)の実態(じったい)を重視(じゅうし)し、この問題(もんだい)の解消(かいしょう)に役立(やくだ)てるものとしてさらに調査(ちょうさ)をいたしました結果(けっか)、彼等定住者(かれらていじゅうしゃ)が共通(きょうつう)して望(のぞ)んだものは、働(はたら)く者(もの)が自力(じりき)で日本語(にほんご)を学(まな)べるものとして「使(つか)い勝手(かって)のよい辞書(じしょ)」でした。この使(つか)い勝手(かって)の良(よ)いとは第一(だいいち)に、索引(さくいん)し易(やす)くするため、ラオス語のアルファベットの順序(じゅんじょ)に単語(たんご)を並(なら)べ、これに日本語訳文(にほんごやくぶん)を置(お)いて行(い)くこと。第二(だいに)に日本語訳文(にほんごやくぶん)に出(で)て来(く)る漢字(かんじ)には必(かなら)ず振(ふ)り仮名(がな)を付(つ)けることの二点(にてん)でした。現在(げんざい)わが国(くに)には、第一(だいいち)の点(てん)を満(みた)す辞書(じしょ)はあっても、第二点(だいにてん)を満(み)たす辞書(じしょ)はなかったため、当財団(とうざいだん)では今回(こんかい)のこの辞書(じしょ)を作成(さくせい)した次第(しだい)です。

見出(みだ)し語(ご)は全部(ぜんぶ)で12,500語(ご)あります。ページ数(すう)は424ページです。本(ほん)の大(おお)きさはA5判(えいごばん)で、厚(あつ)さは17mmです。できる限(かぎ)り単語(たんご)を多(おお)く掲載(けいさい)し、携帯(けいたい)して使用出来(しようでき)るようにしました。

この辞書(じしょ)が、日本(にほん)に定住(ていじゅう)するラオスの多(おお)くの人達(ひとたち)に利用(りよう)され、彼等(かれら)の日本語(にほんご)の向上(こうじょう)に役立(やくだ)ち、そしてラオスと日本(にほん)との国際交流(こくさいこうりゅう)の進展(しんてん)に貢献(こうけん)できることを希望(きぼう)します。

最後(さいご)に、ラオス定住(ていじゅう)の人達(ひとたち)のために、今回(こんかい)この辞書(じしょ)の原稿作成(げんこうさくせい)に努力(どりょく)された関係者(かんけいしゃ)の皆様(みなさま)の労苦(ろうく)に対(たい)し、心(こころ)から深(ふか)く感謝(かんしゃ)の意(い)を表(ひょう)します。

 

2000年(ねん)3月(がつ)

財団法人(ざいだんほうじん) アジア国際支援財団(こくさいしえんざいだん)

 

 

 

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