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図-5.5.7 乗降パターンbにおける在来車の遅れの伝播例p=1.5

 

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図-5.5.8 乗降パターンbにおけるLRVの遅れの回復例p=1.5

一方、下りに対しては、乗車係数p=1.2の場合よりp=1.5の場合の方が停留所中間の交通信号機で信号待ちとならず、優れていることがわかる。ただし、LRVと在来車の優位性は確認されない。

上例のように乗車係数の僅かな増加でも交通信号の赤信号のタイミングにより、LRVの高性能化が効果を示せない結果となるので、1人当たりの乗車係数pの減少により遅れ時秒を増大させないように、運賃収受方式の見直し、短縮化など、停車時秒を短縮化することが必要であることが明示された。

5.5.5. 交通信号機と旅客流動の影響による評価のまとめ

交通信号機と旅客流動の影響の両要因によるシミュレーションを実施し、本LRT高速運転用信号システムの評価を行った。その結果をまとめると次に示すようになる。

(1) 乗降パターンを変化させた場合のシミュレーションにおいて、乗降客の多い停留所に遅れが発生すると、益々遅れが増大する。それに対してLRVは高速化、高加減化の特性を活かし、かなり回復している様子が伺え、本信号システムの優位性が確認、された。

(2) 交通信号の影響を考慮に入れた本シミュレーションでは、LRVといえども、交通信号機の赤信号に阻まれ、なかなか回復できず、特に下りにその傾向が顕著に現れている。

(3) 上りのLRVの場合、乗車係数が低い場合は、高性能化の効果があり、回復には至らないまでも、ダンゴ運転の解消に貢献している。しかし、乗車係数が僅かでも上昇すると、乗車時秒の増大からスルーバンドを外れ、信号待ちとなったのをきっかけに、在来車と同様なダンゴ運転となっている。

(4) 従って、1人当たりの乗車時秒の減少により遅れ時秒を増大させない必要があり、運賃収受方式の見直し、短縮化など、停車時秒を短縮化することが必要であることが明示された。

 

 

 

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