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5.5.3. 乗降パターンを変化させた場合の利用者の視点からの評価

各停留所の混雑率の推移状況に関して、乗降パターンaの場合を図-5.5.5に示す。

図-5.5.5は、在来車もLRVも殆ど同一で、混雑率も100%程度である。

乗降パターンbの場合の混雑率を図-5.5.6に示す。

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図-5.5.5 乗降パターンaにおける混雑率推移図

 

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図-5.5.6 乗降パターンbにおける混雑率推移図

図-5.5.6よりC停留所までは在来車もLRVも同一であるが、D停留所で在来車が大幅に遅れたので、大差がつき、混雑率が200%近くになっている。この在来車の乗降パターンのように乗降客の多い停留所において遅れがあると、益々遅れが増大する。それに対してLRVは高速化、高加減速化の特性を活かしかなり回復している様子が伺える。しかし、交通信号の影響を考慮に入れた本シミュレーションでは、LRVといえども、交通信号機の赤信号に阻まれ、なかなか回復できず、特に下りにその傾向が顕著に現れている。

 

5.5.4. 乗車係数を変化させた場合のシミュレーション

前項では、旅客流動と交通信号の両者の影響による総合シミュレーションを行ったが、この場合も1人当たりの乗車係数p=1.2として実施した。そこで、総合シミュレーションにおいて乗車係数pを変化させた場合についても検討した。この場合、中間のD停留所での乗降人員が多い乗降パターンbにおいて、p=1.5の場合のみについて検討した。

そのシミュレーション例として在来車を始発で80秒遅延させ、p=1.5の場合を図-5.5.7に、LRVを遅延させ、p=1.5の場合を図-5.5.8にそれぞれ示す。

これらの図と図-5.5.3および5.5.4を比較してみると、上りに対しては、在来車の場合、乗車係数p=1.2でもp=1.5でも大きな変化はなく、その優位性は確認、されない。

上りのLRVの場合、乗車係数p=1.2では、高性能化の効果があり、回復には至らないまでも、ダンゴ運転の解消に貢献している。しかし、乗車係数p=1.5では、C停留所で、乗車時秒の増大からスルーバンドを外れ、信号待ちとなったのをきっかけに、在来車と同様なダンゴ運転となっている。

 

 

 

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