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(4) 周囲温度

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4.2 性能試験

 

4.2.1 無線伝送試験

本システムでは、停留所において無線を使用した地上〜車上間の情報伝送を行うが、その無線手段には特定小電力無線機を使用する。この特定小電力無線機は、周囲状況により異なるが、その通信到達距離は半径数百mに及ぶことがある。しかるに、停留所間距離の短い路面電車線区では、電波が隣接停留所に届いてしまい問題となる。そこで、特定小電力無線機の通信到達距離を抑え、同時に、指向性を持たせることが可能か否かを確認するため、無線伝送試験を実施した。

(1) 実験方法

1]2台の無線ユニットを使用し、1台を送信状態、もう1台を受信状態でビットエラーの発生状態を観測する。

2]測定データは自然界には存在し得ないビット列(511ビット)のPNパターンを使用する。

3]送信機は、金属製のケースに入れて上面をアルミホイルで覆い、アルミホイルの中央に直径20mm程度の穴を開け、ケースを横向きにして基準地点に設置する。(図4.2-1参照)

4]受信機は台車に乗せて各測定ポイントを移動し、ビットエラーの発生状態を観測する。(図4.2-2参照)

(2) 実験結果

測定結果を図4.2-3に示す。受信可能エリアは、送信機を中心とした半円状になり、その距離は約5m程度である。この結果、無線機を送信方向に穴を空けたカバーで覆うことにより通信到達距離を抑えることが可能であり、また、180度の範囲ではあるが指向性を持たせることのできることが確認された。これにより、特定小電力無線機を本システムの地上〜車上間の情報伝送手段として使用できる見通しが得られた。なお、カバーに空ける穴の径と受信可能エリアとの関連等は別途調査する。

 

 

 

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