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このことから、予め混合を採用することとした。

 

・ 油処理剤の添加法 予め混合

 

10 油分抽出試薬

舶査第52号は四塩化炭素を使用して油分を抽出しているが、他の試験法はクロロホルムで抽出している。四塩化炭素は、既に製造が禁止されており、今後継続して使用できる見込みがない。

本調査研究の結果では、クロロホルムも塩化メチレンも、油分の抽出のための吸光度の特性に大きな違いはなく、試薬自体の有害性に着目して塩化メチレンを採用することとした。

 

・ 油分抽出試薬 塩化メチレン

 

11 かく拌時間

各試験法のかく拌時間は表IV-4のとおりである。かく拌時間は2〜40分でかなりの時間幅がある。これはかく拌エネルギーまたは油処理剤のタイプ別等を考慮しているものと思われる。

 

表IV-4 各試験法の振とう時間

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本調査研究では、自己かく拌型として緩やかな波動で分散する方法を開発することからかく拌時間がある程度長くなる。試験結果によると、油分散剤量に若干左右されるが、かく拌時間は30分で分散率がピークになった。このことからかく拌時間を30分とした。

 

・ かく拌時間 30分

 

12 粒径調査

分散性能試験において、かく拌静置後の分液ロート内ではクリーミング、凝集合一の現象が起こる。これは、油分散剤の分散性能の善し悪しにより粒径の大小が生じる。本調査研究によると粒径が30μm以下であれば浮上速度(ストークスの式)が遅く、付着が少なく、かつ水中での粒子の凝集、合一がほとんどない安定したエマルジョンであることの知見を得た。しかし、粒径の大小のみで分散性能の良否を判定するのは無理があるので油分抽出した分散率と粒径分布あるいは各粒径の油分重量分布の占める割合から分散化性能とを決める補助手段として用いることが考えられる。

 

 

 

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