日本財団 図書館


表3-3-4に示すとおり、温度変化に対して、各散布率ともほぼ同じ値を示したことから、原油及びA重油の分散剤1滴に対する滴下数は、20%散布5滴、10%散布9滴、4%散布23滴とし、C重油は、20%散布3滴、10%散布7滴、4%散布17滴とした。

3] 粘度の分類

原油及びA重油は、スポイトに即座に吸い込まれる軽質なものであるが、C重油は、吸い込みに数秒以上かかる重質なものであり、極めて高粘度となった場合は測定不能となることから、本試験法においては、スポイトへの吸い込み状況を踏まえて油の粘度を軽質、重質及び高粘度の3つに分類することとした。

 

(4) 振とう方法

MDPC法に関する調査では、試験管を、約5秒間上下方向に20回振とうさせることで混合液がコーヒー色となり、油が微粒子となって分散している状況を目視で観察できたことから、この程度の振とうで分散効果があったものと考えられる。また、「流出油に対する油処理剤の有効性の事前試験の参考例」(平成5年度 海上防災の調査研究報告書(84〜85頁)参照。)では、上下振幅12cm、振とう回数1分間に120回としていることも踏まえ、上下振とうにより、振幅及び振とう回数などを変化させて分散効果を調査したところ、上下の振幅を10cm、振とう回数を20秒間に40回とすることで十分な分散効果が観察できたことから、これを振とう方法として採用することとした。

 

(5) 静置時間

MDPC法に関する調査では、振とう直後には全体がコーヒー色に、15分後には下部が徐々に薄い色となり、45分後にはブランクとほぼ同じ状態となって油水の分離層の形成が確認されている。相性を判定する第一段階は、混合液が全体的にコーヒー色(D-1128は油色でコーヒー色にならない。)となった時点とし、第二段階として、振とう後に混合液の泡立ちが消えた時点を静置時間の目安とする。

静置時間は、評価を行う時間に幅を持たせる必要があり、30秒から1分までの間とする。

 

(6) 有効性の判断方法

油分散剤は、油を微粒子化して水中に分散させるものであり、油分散剤の有効性の判断方法は、混合水の混濁及び微粒子化の状況等に対する外観の状況及び付着性の強いアクリル棒を混合水に浸して微粒子等の付着状況から、次のとおり良好な順に◎、○、△で評価し、油分散剤の有効性を総合的に判断するものとする。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION