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(5) アクリル板への付着性

粒径調査と同じ試験条件で採取した混合液に対して、水中の油滴が付着しやすいアクリル板を使用して、水中の油滴の付着状況を調査した。

1) 試験条件等

1] 氷中油滴の作成 MDPC法

2] 試験油 C重油

3] 油分散剤 S-7

4] 静置時間 10分(5分)

2) 観察等

1] 35m/m写真

2] 顕微鏡写真(倍率500倍)

3] 目視観察

3) 調査要領

1] MDPC法により、分散混合水を作成し、分散混合水を10分間静置した後それぞれのビーカーに100mlを採取した。

2] ビーカーに採取した100mlの分散混合水中に付着性の高いアクリル板(長さ18cm、幅2.5cm、厚さ6mm)を1秒間浸し分散混合水中の油滴を付着させて観察した。

3] 分散混合水から引き上げたアクリル板を、更に塩水中に1秒間浸した後(洗浄)引き上げて、油滴の付着状況を観察した。

4] なお、5分静置後については、2]の観察を実施した。

4) 調査結果

調査結果を写真3-2-1〜3-2-3に示す。

写真は、右側がアクリル板への付着写真、左側が顕微鏡写真である。写真3-2-1は調査要領1]、写真3-2-2は調査要領2]、写真3-2-3は調査要領3] の写真である。

アクリル板への付着状況については、写真3-2-1が濃く、写真3-2-2が淡い色であることから、分散混合液中に浸したアクリル板を更に塩水で浸す(洗浄)とアクリル板上の油滴が離れ、アクリル板への付着がほとんど少量であることが検証できた。

顕微鏡写真については、黄色い部分が水膜で黒点が油滴である。アクリル板上には、水の表面張力により水の膜が形成され、油滴はその水膜状に点在している。静置10分後の粒径は5μm以下、静置5分後の粒径は10μm以下であり、静置時間を5分間長くすることで粒径の大きな粒子が浮上し、分散層がより安定した状態の粒子で構成されていることが顕微鏡写真からも分った。

 

 

 

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