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(2) 油水吸引性能試験

油水吸引性能試験結果を表2-1-2及び図2-1-6に、試験状況を写真2-1-5〜写真2-1-6に示す。

水吸引性能試験終了後、引き続き油水吸引性能試験を実施した。油水吸引性能試験は、水400lを水槽に入れ、その水に試験油180lを投入したものを用意し吸引供試体とした。この吸引供試体は水と試験油が完全に分離している。水槽の水温は21.9℃であり、図1-1-2温度-粘度図から試験油の粘度は20,000cStであった。

1) 揚程10m

揚程10mの試験では、アタッチメントを吸引開始と同時に油水中に差し込み、空気はアタッチメントの2次空気口から取り入れ、水と試験油を交互に吸引したところ、水の吸引量が多く、最終的に試験油だけが残ったが、吸引供試体の全量を吸引した。

2) 揚程20m

揚程20mの試験は、揚程10mの試験結果を踏まえ、先に試験油から吸引し、閉塞傾向が認められた時点で水のみを吸引し、閉塞状況が解除された時点で試験油を吸引するという方法で実施した。この結果、水180l、試験油110lを吸引した時点で閉塞し、吸引不能となり試験を中断した。このため、再度ホッパータンク内の負圧が定まるまでルーツブロワを運転し、負圧が一定となった時点で同方法をもって試験を再開し、残りの吸引供試体全量を吸引した。

3) 揚程30m

揚程30mの試験は、揚程20mの試験結果を踏まえ、2次空気口からの空気量だけでは不足ぎみなことを考慮し、吸引開始と同時にアタッチメントを吸引供試体に差し込まず、試験油のやや上方に位置させ、先に試験油を吸引し、閉塞する状況となったときにアタッチメントを差し込み水を吸引するという方法で実施した。この結果、水110l、試験油123lを吸引した時点で閉塞し、吸引不能となり試験を中断した。このため、再度ホッパータンク内の負圧一定とし試験を再開したが、再び閉塞したためこの時点をもって吸引終了とした。

なお、表2-1-2の揚程20m、揚程30mの吸引時間及び油水吸引量は閉塞前と閉塞後の時間及び量を加えたものを測定値とし、吸引性能もこの測定値から求めた。

 

表2-1-2 油水吸引性能試験結果

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