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(1) 各型オイルフェンス(異なるスカート深さ)の滞油性能

滞油性能試験結果及び他の文献等の結果をまとめて表1-3-3に示す。

 

表1-3-3 各型オイルフェンスの漏油発生速度(m/s)

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表中に示した漏油発生速度に範囲のある速度は以下の理由による。

・ スカート深さが一定であっても、スカート下部に装備している重錘重量が異なると、スカート部のふかれ(水圧流による変形)状況が悪くなる(スカート下部が浅くなる)。このことはスカート下部に装備している重錘重量が重い程ふかれにくく、スカート下部の水深が深いことによる。

・ オイルフェンスの形状や構造の違いによる影響。

・ オイルフェンスの種類による影響。

例えば表中のB型オイルフェンスの平水中では漏油発生速度が0.26m/s〜0.50m/sの範囲である。この低速度で漏油するオイルフェンスは衝立式(図1-3-5参照)で、漏油の要因として浮体と浮体の間に縦渦が発生して油滴が生じることによる。渦の発生は浮体の形状、浮体の間隔等によるがこの現象はある一定速度のみでその前後の速度では発生しない。

 

1) 漏油の発生速度

1] 平水中

流速が大きくなると油層下面の油と水の界面に界面波が生じて凹凸を生じるようになる。さらに高速になると波動の振幅が大きくなり先頭波の波頂部分から油滴が生じ水中に放出される。この油滴は浮力で浮上するが浮上速度が小さいので流速が大きいと主流に運ばれ、フェンス下部を通過し漏油するようになる。(図1-3-16参照)

なお、フェンス前面に滞油した油層の形状は、フェンス深さが変わってもほとんど影響されないことが実験等によって判明している。

 

 

 

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