(2) 代表的な土砂災害危険予測方式の組み込み
本システムには、複数の代表的な土砂災害危険予測方式が組み込まれています。さらに、それぞれの方式を単独で適用するのではなく、それぞれの特性を考慮しつつ相互に組み合わせることにより、より信頼性の高い土砂災害発生危険度の把握を可能にしています。
(3) 管内の雨量データを使用するため正確
本システムは、市町村等に設置された雨量計の観測データを用いますので管内の土砂災害発生危険度を正確に把握できます。
1.3 低コスト
(1) 過剰動員、長時間動員がなくなりコスト削減が可能
本システムでは、平常段階から危険度最大のランクまで、8ランク(市町村等の地域特性、防災体制、住民への情報伝達手段、避難誘導体制等の状況により変わります)の細かな区分を設定し、それぞれのランクで最適の活動体制を指示します。そのため、過剰動員あるいは長時間動員がなくなり、大幅なコスト削減が期待できます。
(2) シンプルなシステムのため低コスト
本システムは、雨量計、パソコン+本システム用ソフトウエア、(電話)回線、雨量計から構成される、きわめてシンプルなシステムなため、導入・運用コストを大幅に低減できます。
(3) 既存の雨量計やパソコンが使用できるため低コスト
既存資源が活用できるのも本システムの特徴です。
どこの市町村や消防本部にも雨量計の一つはあると思います。もし無い場合でも、小中学校の百葉箱の雨量計を使うことも可能です。パソコンも最近の安価なものであれば使用できます。
このように既存資源を用いることにより、低コストを実現しています。
2. 平成11年度において開発した新規機能
平成11年度においては、平成10年度に開発されたシステムを基に新たに「広域運用」機能及び「再現シミュレーション」機能を開発し、本システムの適用範囲と応用手段を充実させました。その結果、土砂災害危険予測精度の向上、危機管理情報の有効活用及び防災活動の評価・見直しが容易かつ的確に行えるようになりました。