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不適正な点検・整備を繰り返した業者への対応

東京消防庁

 

消防設備等の不適正販売や点検・整備に関する問題は、いまだに後を絶たない状況である。今回は、消火器の不適正点検・整備に関して東京消防庁が行った対応を紹介する。

同庁管内で、消火器の点検・整備に関するトラブルが何件か発生した。トラブルの内容は、出入りの業者を装った消火器点検業者Fの消防設備士Aが消火器の点検・整備を行った際に、点検・整備料として高額な料金を請求するもので、支払いを拒否すると消防設備士Aが消火器を持ち去ってしまうというものだった。

同庁では、このような事案に対し次のような対応処置を採った。

1 違反事実の特定に係る主な調査対応等

(1) 関係者等からの情報収集及び供述録取並びに違反調査による事実関係の確認

(2) 防火対象物の立入検査を実施し、消火器が持ち去られた事実の確認

(3) 消防設備士Aからの供述録取等

(4) 実況見分調書等の作成

2 違反事実の特定及び消防設備士Aに対する消防法令違反通告措置対応

(1) 前記1の調査結果等の事実をもとに、消防設備士Aに対し、「誠実業務実施義務違反」(消防法第一七条の一二)及び「消防設備士講習受講義務違反」(消防法第一七条の一〇)の違反事実を特定した。

(2) 消防設備士Aの前(1)に係る違反事実に対し、消防設備士免状の返納命令に関する運用基準により行政措置を実施した。

3 チラシ等の広報媒体を活用した管内防火対象物関係者及び業界などに対する情報提供と再発防止の対応指導を実施した。

(1) 契約書は良く読み不用意にサイン、押印しない。

(2) 自社と契約のある業者かどうか契約担当部署に確認する。

(3) 不審な場合は、ハッキリ断る。

(4) 消火器の点検や購入に際して不明な点があるときは、消防署に相談する。

 

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編集後記

★ 第五一回全国消防長会総会が仙台市で開催された。全国の消防長等約一、〇〇〇人が参加し、消防に関する当面の課題等が審議された。

また、第二二回全国消防職員意見発表が行われ、各支部から選ばれた発表者はそれぞれ自らの体験を基に発表を行い、全国の消防長等に深い感銘を与えていた。今回のこの貴重な経験を今後の消防人生に役立てていただきたい。

開催地となった仙台市消防局の皆さん、大変お世話になりました。一〇〇万人都市仙台の今後のますますのご発展を祈念致します。

★ 北海道を除く各地で梅雨入りが気象庁により発表された。梅雨のじめじめとした雨はうっとうしく好きではないという方も多いと思うが、六月前半、晴天の日が続いていることからカラ梅雨による影響も懸念される。この時期、体に十分気をつけて、頑張って参りたいものと思います。

(大橋)

 

 

 

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