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これらの数値の意味するところを説明すると、これらの係数の任意の1つは、他の説明変数もしくはコントロール変数の影響を除去したうえでの、当該変数の被説明変数(つまりある移動タイプ)に対する影響力の大きさを示している。この際、影響力を規定する基準となる(つまりレファレンスとなる)カテゴリーによって、係数の推計値と統計的有意性は変化するため、表6において、レファレンス(準拠)カテゴリーをカッコに入れて示した。また、統計的有意性は*印および#印によって示されているが、もし1パーセントのレベルで有意であれば**が、5パーセントで有意であれば*が、そして10パーセントで有意であれば#が付けられている。

まず、転居理由をモデルに含まない分析結果について検討したい(表2-5-1のモデル1A、1B、1Cを参照)。この表に示されているように、6歳未満の子どもがいることは、区内移動者および遠距離移動者のどちらかをレファレンス(比較の基準)とした場合、統計的に有意な正(プラス)の結びつきをしめしている。ここから、6歳未満の子どもをもつ女性の割合は、区内移動者および遠距離移動者と比較して、近距離移動者の女性に有意に高いことがわかる。一方、区内移動者と遠距離移動者の間には有意な差はみられない。

 

表2-5-1 多項ロジットモデルによる移動タイプの要因の推定係数:0〜12歳の子供をもつ女性移動者

132-1.gif

**p<0.01、*p<0.05、#p<0.10水準。

 

 

 

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