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表2-2-3 江戸川区における児童手当支給総額と一般会計歳出額に占める児童手当割合の推移、1992〜96年

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出所:江戸川区(1998年)『第28回統計江戸川平成9年版』。

 

(3) 要約

以上から、江戸川区における保育施設での保育サービスヘの「需要」は高いとはいえない一方、同区の施設保育サービスの供給水準は、東京都の平均を相当に上回っているのではないかと思われる。事実、同区における保育サービスおよび児童家庭関連支出の推移から、1990年代、江戸川区は子育て支援政策に力をいれていることがうかがわれる。例えば、保育所などの保育施設数にはあまり変化がみられない一方、受け入れ児童総数は順調に増加しており、なかでも保育所在籍児童数と保育ママが受け入れている0歳児数の増加は著しい。同区の保育所では0歳児保育はほとんど行われていないことから、0歳児への保育サービスは、家庭に近い状況で保育ができる保育ママを中心に実施され、一方1歳以上の児童の保育については、保育所あたりの受け入れ児童数を増やすことで、保育サービスのニーズに柔軟に対応しようとしている姿がうかび上がる。また、同区の子育て支援政策の拡充は、児童手当総額が一般会計に占める割合の急速な増加によっても確認される。したがって、江戸川区の子育て支援への積極的な取り組みは、保育サービスヘの需要のある母親や夫婦を引き付ける要因になりうるのではないかと考えられる。

 

第3節 移動元からみた移動者の属性と特徴

 

江戸川区の『子育て世代の母親の居住移動実態調査』において対象になった母親を、その移動元からみると、(1)江戸川区、(2)江戸川区以外の東京、(3)埼玉・千葉・神奈川、(4)茨城・群馬・栃木、(5)その他の道府県の5つに分かれる。ここでは、これら5つの移動元からみた移動理由の特徴、および子育て支援サービスヘの需要を考える上で重要であると考えられる母親の就業状態と小さな子どもの有無について見てみたい。

表2-3-1には、これら5つの移動元別にみた、転居理由のパーセンテージ分布、現在収入のある仕事をしている母親の割合、および転居時点における就学年齢前(6歳未満)の子供をもつ母親の割合が示されている。

 

 

 

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