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そしたら、そのとおりだ。全然間違いだ。そういうことは許されない。東ティモールの海である。東ティモールの大陸棚なんです。オーストラリア領ではないんです。東ティモール寄り。かなりの量が出るんです。それが確かに資源として大きいです。

僕は、そういう資源じゃなくて、僕らが行っていたときから、60万の人口が全員が食べていたわけですから、そんなにぜいたくしなければ、山へ行けばバナナもあるし、パイナップルもあるし、何でもあるんです。海はきれいな海で、沖縄の海よりもはるかにきれいな、手を入れると染まるんじゃないかというぐらい、きれいな海でした。ただ、向こうでは、魚をとるのに日本みたいに変なことはやらないですよ。潜っていって、弓で打つんです。そんなとり方をしていました。日本軍がやっているのは、爆破だからやめろっていったんです。手りゅう弾を投げて、あんなことをしたらかわいそうだと思った。だから、食うのにはそんなに心配ない。

確かに、地の果ての国で、特に平野が少ないんです。いわゆる地勢学的に言うと、サバンナっていうかな。平野が少なくて疎林なんです。サボテンはものすごく多いんですが、山の方は全然違います。山へ行くと何でもあります。ただ、あそこは雨期と乾期がはっきりしていまして、雨期になると、山と海は近いから、橋なんか造ってもすぐ流れちゃうところです。何とかしてダムを造れば大丈夫じゃないかなと思います。水田はありましたけどね。山は、みんな焼け畑農業で、焼け畑でトウモロコシをぼんぼん投げていた。一番の主食はトウモロコシです。水田もあったんです。水田だけはちょっと僕もやりました。日本の軍隊なんていうのは、みんな参謀部へ行って、名簿を出せって言ったら、みんな何出身って書いてあるでしょう。その中から大工さんはちゃんと家を造るために雇えばいいわけだから、農業出身者ならお百姓さんと一緒に農業をやらせればいいということでやったら、みんな感心していたけど。水田をつくらせて、一尺ごとに植えるだけで、収量が倍になるわけです。大したことはない。向こうはばらまきですから。水牛を水田の中を走らせるんです。それが掘り起こしたことになって、ばらまきするだけ。そうではなくて、一尺おきに種を植えなさい。そうしたら、収量が倍になったと喜んでいたけどね。だからまだまだやりようによっては、幾らでもできる。

それとコーヒーができるんです。コーヒーはデリーコーヒーというのは、昔、世界一おいしいって言われたんです。

 

 

 

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