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司会者 お忙しい中お集まりいただきましてどうもありがとうございます。本日は、アーバン・インスティテュート研究員の上野真城子さんをお迎えいたしまして、「ノン・プロフィット : アメリカの教育に果たす役割から」というテーマでお話をいただきます。

上野さんは、ノン・プロフィット、あるいは日本の独立型のシンクタンクということをもう15年来提唱されていて、そういう意味で私どものシンクタンクも97年にできたのですけれども、陰の立て役者のお1人というふうにご紹介申し上げてもよろしいのではないかと思います。

きょうは違った切り口、つまり教育という切り口からノン・プロフィットについて考えてみようということで企画をさせていただきました。予定されている時間は1時間半ですが、その前半で上野さんからお話をいただきまして、残りの時間を質疑応答の時間に使いたいと思います。

それでは上野さん、よろしくお願いいたします。

 

2. 講師報告

 

上野 上野です。よろしくお願いいたします。お忙しい中をわざわざ私のつまらない話を聞きにきていただいて申しわけないと、ひどく罪の意識がありますけれども、少しは役に立つ話をしたいと思っております。

実は、土曜日に、国際研究奨学財団(現東京財団)が大きなサポートをなさってできた「政策分析ネットワーク」の設立総会がありまして、そこでのシンポジウムに参加させていただきました。そのことがあって今回、このアフタヌーン・セミナーにもお招きいただきまして、大変ありがたく思います。

 

●私の危機意識:社会更新システムの欠如

実は、私は「教育の観点から」と書きながら、教育のことについて何を申し上げたらよいかとひどく悩んでいるのですが、私はここ15年ほどアメリカに暮らしていて、12年ほどアーバン・インスティテュートというアメリカのシンクタンクで研究し、かつアメリカの社会で暮らしながら日本を見続けてきて、非常に深い危機感を持っています。その中で私の危機感が間違っているのかという疑問が常に意識にあるので、今回、このお話をさせていただいて、「教育の切り口から」と言いながら、両方に参加してくださった方にとっては先日のダブりになるかもしれませんけれども、私としてはそこからスタートして、あとでぜひ私が誤っているのかどうかということを聞かせていただきたいと思います。

 

 

 

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