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司会者 給料だけは安いというのは。(笑)

F まあ、慶応義塾はね。それと全般的には、今ちょっと足下で過剰流動性的状況がやはり出てきているのではないかという気がしているんですね。竹中さんが99年は"良い不況"にしなければいけないとおっしゃっていました。私もそうだと思っていたのですが、現実に起こっているのは"悪い好況"ですよね。"悪い好況"になっていて、それが気の緩みというか、たるみとまでは私は言いませんが、それがさらに"悪い好況"を招いて、そのまま次の局面では"悪い不況"になるという、そういうシナリオが非常に客観的には高まっているというのは、おっしゃるとおりだという気がいたします。

私は前から申し上げているように、一喜一憂しても始まらないので、気長に個人生活の安全はどうやって図るかを考えながら、四半世紀ぐらい待たないと日本経済はやはりよくならないのかなというふうに思っているのです。コメントにならなくて申し訳ありません。

小原 Eさんのほうのご質問は非常に難しいというか、これも銀行の立場と企業の立場、国民の立場といろいろあるのですが、私は銀行を担当しているアナリストなんですね。ですから、仕事の目的は銀行株を買おうとしている、あるいは銀行に投資していこうとしている投資家に対して、その投資はいいかどうか、やるべきかどうかというのを判断するのが仕事なのです。

その観点から申し上げると、銀行の株主の利益を重視する銀行はどこかという観点でお話をしなければいけない。債権放棄をさせるべきではないかどうか。倒産させて逆に大きな損失を出させると、銀行の株主も利益にならないという。ですから、債権放棄によって支援して、企業を助けていくということなのですけれども、それにはきちんとしたルールのもとにやるならいいのですが、必ずしもその企業が再建可能な企業なのかどうかが不明。どれくらいの債権放棄をすれば再建ができるのか、そして銀行の立場からいえば自分が貸したお金に対してどういう評価をしているのか。もしその貸し出しに対する評価がゼロの評価だったら、とっくの昔に債権放棄するなり、ライトオフするなりしなければいけないようなものでしょうから、それだったらその分債権放棄をしていくのがいいと思うのです。

 

 

 

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