B ごめんなさい。典型的なアメリカ人の話です。
D 私、大昔世銀で働いていたことがあるのですが、私はああいうところで働いている人は、国籍を意識しない個人だと思うんですよ。個人で働いているから…。
B 人を送り込むっていうのは世銀の人を送り込むってことですか。
D そうです。世銀の人を3年ぐらい常駐させるということです。
B いますよ。今世銀でやっていることは、本部に統括しないでリージョンに人を出そうと。だから、国にどんどん課長を置いているわけですよ。アジアの何とか課長というのはベトナムにずっといてね、そうすると大変になると。毎晩電話で一生懸命やっているわけです。
D 世銀のなかでやっているんですか。
B もちろん、…。
D 政策決定者ですか。
司会者 国際研究奨学財団 (現東京財団) ですから国際関係機関のあり方なのですが、最後に一言だけ。
白井 文化を無視しているという批判は昔の議論ということで申し上げたのですが、今までIMFはそういう批判に対してどのように対応してきたかといいますと、大枠の数字を決定します。しかし、そのなかの支出の配分については、その国に任せていたのです。そういった意味で、皆さんが普通に思うほどIMFは押し付けているとか、非常に文化を無視した政策をしているというわけではなかったのです。しかし、最近のようにソーシャル・セーフティネットが大事になってきているとか、銀行の構造改革とか詳細なものが入ってきますと、当然ポリティカルなものがものすごく大きくなってきています。そうしますと、今までIMFはポリティカルなものは避けてきたのです。
私たちは、エコノミストだからエコノミックなプログラムを提供する。あとは合意したら細かいところはその国に任せてその国がやっていくというふうな態勢をもっていたのですが、いまはそれをしなくなったということです。
司会者 はいどうも。非常に活発なご議論をいただいて、ありがとうございます。また、引き続き議論していきたいと思います。今日はどうもありがとうございました。
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