日本財団 図書館


司会者 それでは、朝早くからお集まりいただいて大変ありがとうございます。第12回になりますけれども、GFRSの政策セミナーを始めさせていただきます。

きょうは、ご案内のように自由党の鈴木淑夫先生においでいただいております。タイトルは、そこに書いてありますように「自由党の政策構想と自自連立」です。もう改めてご紹介するまでもないと思いますけれども、鈴木先生は日本を代表する金融エコノミストとして活躍されて、今はまさに自自連立の中心にいらっしゃる方です。今、お伺いしましたら、毎週火曜日、きょうも午後らしいですけれども、自民党と自由党の政策責任者会議というのがありまして、その政策責任者として、まさに自自連立の政策の中心にいらっしゃるということで、自由党の政策構想と自自連立について幅広いご議論をいただければと思います。

きょうは、30分から40分ぐらいお話をいただいて、その後で議論をさせていただきたいと思います。ひとつよろしくお願いいたします。

 

2. 講師報告

 

鈴木 皆さん、おはようございます。そうそうたる方々がお集まりですので、今、司会者の方がおっしゃったように、30〜40分の話で、あとはぜひ自由に座談ということでお話し申し上げたいと思います。1枚紙のレジュメと3枚の図表があると思いますので、ご覧になりながら聞いていただきたいと思います。

私は、今の不況の原因は、いろいろ整理の仕方があると思いますが、わかりやすい整理の仕方として、短期、中期、長期のそれぞれの政策の失敗による政策不況であるという言い方をしています。短期の政策の失敗というのは、景気対策の失敗にあるわけです。具体的には、ここに書いてありますように、財政再建最優先ということで、9兆円の国民負担増と3兆円の公共投資カット、合計12兆円のデフレ・インパクトを持つ97年度予算を強行した。しかも、その結果、景気が落ちてきたその年の97年11月に、さらに2003年まで財政出動の手足を縛ってしまう財革法を出した。ですから、予想も非常に暗くなってしまった。ということで、この時期から4四半期連続してマイナス成長に入ってきた。このデフレ政策の強行による景気後退というのが、短期の原因だというふうに思っております。

なぜこんなむちゃをしたかというと、これは図表1を見ていただくとわかるのですが、上から2番目が実質GDPです。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION