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自動車基準・認証制度の国際化

安全性を求める消費者の要請に基づく自動車の基準・認証制度の国際統一や相互承認を巡り、米国が新たな世界ルールの確立を提唱したのに対し、欧州は基本的に既存のECE(国連欧州経済委員会)協定を維持する立場を選択している。日本は欧州の協定に参加しながら制度の国際化を進める方法を探っている。現行の日欧の認証制度では、メーカーが新車を製造する時は政府からその都度形式認証を取得する方式であるのに対し、米国は政府が定めた基準に合えば誰でも自動車を製造できる自己認証方式である。このため、制度が大きく異なる中での新国際ルールの現実性は疑問視されている。日本はECEの基準作りにおける実績を重視し、協定に加入して日米等の意向も反映できる方向へ改革を促す方針を決定した。

 

造船協定

造船産業の競争条件の調整を目的として米国の主導の下、1994年6月に合意された経済協力開発機構(OECD)の国際協定である。協定には国際造船市場における健全な競争条件を確立し、市場の秩序を維持する目的で、造船業への政府助成措置の撤廃や、外国事業者のダンピング(不当廉売)受注を防ぐ規定が設定されている。1995年12月にEU、韓国、ノルウェーが、1996年6月に日本が締結した。しかし、議会の反対で米国が批准せず、発効が遅れている。

 

 

 

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