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日米包括経済協議

日本貿易不均衡を解決するために日本市場の規制緩和及び競争政策の推進を目的として、1993年5月の日米首脳会談において設置された枠組みである。しかし、具体的な成果を得にくいと判断され、特定の市場に商店を当てた分野別協議も併せて実施されている。包括協議の規制緩和会合では外務省と米通商代表部(USTR)担当課長を共同議長として運輸省等の関係各省庁の担当官が参加する。運輸関連分野では車検に関する自動車・同部品分野において1995年8月に合意がなされており、既存協定に基づき、分解整備の定義の見直し、特定部品を専門に整備する工場の認証制度が創設されている。年次会合では、既存協定の順守を確実とするために決着文書に基づいて実施状況について検証がなされる。また、さらなる規制緩和の求めに応じ、1998年5月に分解整備検査が廃止されている。

 

港湾運送問題

日本の港湾運送事業においては、コンテナバースの移動など港湾労働者の雇用問題に影響を及ぼす場合に、日本港湾協会が海運会社と労組との間に立って、荷役作業の調整を行ってきた。しかし、1997年に米連邦海事委員会(FMC)は、事前協議の運用が不公正であり、外国企業への差別的な決定がなされているという港湾荷役の閉鎖性を理由として、日本の海運3社のコンテナ船が米国に寄港するごとに10万ドルの課徴金をかける対日制裁方針を示した。この後、政府間協議を経て、海運会社が港湾運送事業者と個別に折衝できる新方式が導入された。また、同問題では日本の海運会社が不利益を被った場合に、それに対処する法律の未整備も指摘された。

 

 

 

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