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16 国際

 

マラッカ・シンガポール海峡における航行安全対策

マラッカ・シンガポール海峡は日本の重要な石油輸送ルートであり、船舶交通が輻輳する世界有数の国際海峡である。従来から国際的に航行安全対策、海賊対策等の必要性が指摘されている。国連海洋法条約において利用国の協力に関する規定が設けられたことから、1994年8月、日本の総理大臣に対しマレーシア首相が、日本の積極的なイニシアティブと協力を要請した。我が国は、従来から(財)マラッカ海峡協議会を通じた航行援助施設の整備とその維持管理やIMOにおける検討への参加等を行っている。そして、1998年5月には船舶の安全航行を確保するための再水路調査についての協力を沿岸3カ国を対象に実施することを決定し、1998年10月から現地において本格調査(測量)を開始した。また、1998年7月には(社)日本海難防止協会においてシンガポール連絡事務所を開設し、航行安全対策等の調査・研究を行っている。運輸省では、1993年3月、省内に「マラッカ海峡問題検討委員会」及び「ワーキンググループ」を設置し、同海峡の船舶通航をめぐる諸問題への対応について総合的な検討を行なっている。

 

バラ積み貨物船の安全対策の推進

ばら積み貨物船の海難が後を絶たないため、現在、IMOでは、ばら積み貨物船の損傷時の安全性の向上、検査の強化等の検討が行われている。我が国も、適切な安全要件を提案する等、積極的に審議に参加している。船舶の安全対策については従来から海上安全委員会(MSC)等で審議されてきた。バラ積み貨物船の安全性に関する海上人命安全条約(SOLAS条約)改正案(新第XII章)が、1997年11月の第20回総会時に開催される締約国会議で採択された。

 

 

 

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