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放置艇問題

プレジャーボートを中心とする小型船舶が河川や港湾等の公共水域に不法に係留され、公共水域の適正利用、災害時の安全、環境保全に支障を与えている問題。96年に行われた調査では、約14万隻の放置艇が確認されている。問題の原因は、海洋レクリエーションの拡大や船舶価格の低下に伴い、小型船舶の保有台数が増大する一方で、係留施設が不足していることにある。この問題に対し、98年8月に、運輸省、建設省、水産庁が合同で「プレジャーボート係留・保管対策に関する提言」を取りまとめ、97年からは既存の運河、水路等の静穏水域を活用した係留施設「ボートパーク」の整備も推進している。

 

ナホトカ号重油流出事故

97年1月2日、ロシヤ船籍のタンカー「ナホトカ号」(13157トン)が島根県隠岐沖で座礁、積み荷の重油約6240キロリットルが流出し、日本海沿岸の広範囲に重油が漂着した事故。座礁によりナホトカ号は船尾、船首に裂け、船首部分は福井県三国町沖に着底した。このため三国町付近の沿岸における海洋汚染は著しいものとなった。事故原因は、船の老朽化と悪天候が重なったものと見られている。この事件をきっかけに、油による海洋汚染が招く損害が多くの人々に知られると共にタンカーの安全性について疑問視されるようになった。

 

 

 

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