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コミュニティーバス

バス路線の空白地域において地域住民の足を確保するために、自治体が事業者と連携してバス路線を開設する事例が近年増加している。このようなバスは、従来の路線バスと比べると、小回りが利く小型車両の使用、短距離循環型の路線設定、わかりやすい料金システム、高齢者や障害者の利用を考慮した設備の設置、自治体の直営や自治体からの運行費用補助の存在などの特徴が見られる。1995年開始の武蔵野市(東京)の「ムーバス」や1997年開始の豊田町(とよだまち/静岡県)の「ユーバス」が代表例である。これらのバスは地域内の移動の確保のみならず、情報伝達の機能も果たしていることから、しばしば「コミュニティー・バス」と呼ばれる。

 

オムニバスタウン構想

モータリゼーションの進展の結果、地域の足であるバス路線が減少する一方、交通渋滞や大気汚染を深刻化させている。そこで「バスを交通の中心とするまちづくり」を行うことにより、全ての人に移動手段を確保し、渋滞や事故のない環境に優しいまちを実現しようという構想が生まれてきた。具体的には、自治体や事業者が一体となって、バス専用レーンやトランジット・モールの設置、パーク・アンド・ライドの促進、バス・ロケーション・システムやノン・ステップ・バスの導入などを推進することを目指している。1997年度から、運輸省、建設省、警察庁が連携して、このような計画に取り組む市町村を支援する「オムニバスタウン」構想を推進している。

 

 

 

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