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貸切バスの規制緩和

団体旅行客の減少を反映して、貸切バス業界の競争は激化している。事実上、このような状況を追認する形で、需給調整規制や運賃・料金規制の緩和が行われることが決定されている。すなわち、需給調整規制は、安全の確保、消費者保護などの措置を確立した上で、1999年度に廃止すること、その際に運賃・料金規制も認可制から届け出制へ緩和することとされている。これに先駆けて、1997年度から割引運賃の導入など運賃・料金の一層の弾力化が図られたほか、貸切バスの実働率の高い地域での需給調整基準の緩和、事業区域の市町村単位から都道府県単位への拡大、最低保有車両数の緩和が行われた。

 

乗合バスの活性化に向けた動き

マイカーの普及、交通渋滞の悪化、人々の健康志向などを背景に、乗合バスの利用者は1970年頃をピークに減少し続けている。利用者の減少と運行本数の減少の悪循環を断ちきり、人や環境にやさしいバスの利用を促進するために、近年、事業者のみならず行政もバス活性化に向けて取り組み始めた。事業者は、プリペイド・カードの発行や低公害バスやノン・ステップ・バスの導入、バス・ロケーション・システムの設置などに努める一方、行政は、各都道府県に「バス活性化委員会」、関係省庁間に「バス活性化連絡会」を設置し、バスの走行環境の改善や「オムニバスタウン」構想の推進に努めている。また、運輸省は「バス活性化総合対策補助制度」によりこのような事業者を支援している。

 

 

 

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