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係船点

係船とは、船舶の運航を止め、船舶を港に係留することを意味する。船舶の需要が減少し、市場の運賃が下落することで、サービスを提供しても費用が回収できないケースがある。この時、船社が船舶を係船すれば、燃料費などの運航費や一部の船舶経費は発生しない。しかし、減価償却費や利子および係船管理費用は発生する。従って、運行を続けることで発生する欠損が係船に伴なう費用を下回るならば、船社は赤字でも運行を続けるほうがましとなる。この運航欠損と係船に伴なう費用が等しくなる運賃水準を係船点と呼ぶ。我が国では船員の終身雇用が前提とされる。そのため解雇などをすることで人件費を調整することはできない。従って、係船にかかる費用も高く、係船点も低い。

 

コンソーシアム

コンソーシアムとは、複数のコンテナ船社がそれぞれの船舶の利用度を高めることを目的として、共同運航を行うために結成された企業提携を指す。一般的にこの提携には、1つの同盟に属する船社間で行われる。またこの提携には、数社が共同体を形成するケースから、船社間で単に配船スペースを融通し合う、いわゆるスペースチャーター契約を結ぶケースなど様々な形態が含まれる。そのため、コンソーシアムの捉え方についても、設備の融通などに関する技術的協定として捉える立場や運航協定や商業協定なども含めた経済的協定として捉える立場などに分かれている。また近年、コンテナ市場の運賃低下の傾向に伴なって、コンソーシアムの再編が進んでいる。

 

 

 

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