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プレジャーボートの放置問題

余暇時間の拡大や小型モーターボートの低価格化などを背景に、我が国のプレジャーボート需要は増大しているが、係留施設や保管施設などが不足しており、港湾や漁港、河川等の公共用水域に放置されているプレジャーボート、いわゆる放置艇が社会問題となっている。1996年に運輸省、建設省、水産庁の三省庁が合同で実施した実態調査では、港湾、漁港及び河川に約20万8千隻のプレジャーボートが確認され、うち13万8千隻が放置艇となっている。この放置艇問題に対処するために、公共および民間マリーナの収容能力を積極的に活用し可能な限り放置艇を収容させる、また、簡易な係留・保管施設(ボートパーク)の整備促進等の方策が講じられている。

 

環境と共生する港湾(エコポート)の形成

環境に対する関心が国内外で高まる中、港湾においても生物、生態系に配慮し、自然環境と共生したアメニティ豊かな、環境への負荷の少ない「環境と共生する港湾(エコポート)」の形成が必要とされている。これに対し、水質・底質を改善する浚渫や覆砂、干潟の創造、緑地の整備等、港湾環境インフラの整備が推進されている。なかでも全国の模範となる整備事例を早期に形成するため、モデル港(地区)の指定、及びモデル事業の認定を行った上で、環境インフラの総合的な整備を重点的、先行的に行うエコポートモデル事業が進められている。その他、エコポート形成のための干潟や、藻場の造成技術、海水交換等の海水浄化技術の実証への取り組み等もなされている。

 

 

 

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