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プライスキャップ制

1984年、英国の電気通信事業者BT(ブリティッシュテレコム)の民営化に当たり、リトルチャイルドが提案しサッチャー政権によって採用された料金規制制度である。直接料金そのものに上限を設定し、規制当局のコスト査定が行われず、通常3〜5年間隔で上限算定式の見直しが行われる。事業者は毎年算定式に基づいた上限内で自由な料金設定が可能となる。プライスキャップの算式の基本形を示すと以下のようになる。

 

Mt=Pt-1+Pt-1 (I-X)

Mt:t年にける上限料金水準、

Pt-1:t-1年度の料金水準

I:物価指数変化率、

X:事業者の生産性向上努力率

 

ヤードスティック方式

総括原価方式の問題点の一つとして情報の非対称性による事業者の非効率がある。これを是正するために当該事業者が能率的に経営された時の潜在的可能性の尺度として当該事業者が提出するコスト情報ではなく、同業他事業者が提出するコスト情報を用いて料金決定に反映させる方式のこと。この方式では、事業者にとってコストを高めに報告する誘因は働かず、他事業者以上の合理化努力でコスト節減をすれば、利潤の増加という形での報奨が付与される仕組みになっている。我が国のバスやタクシー等に採用されている標準原価制度は、まさにこのヤードスティック方式の要素を取り込んだものである。

 

 

 

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