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東京国際空港の沖合展開事業

東京国際空港(羽田空港)は長らく日本の首都東京の空の玄関口であった。国民所得の上昇とともに、航空需要が急増するにつれて、羽田空港の容量不足が問題となった。1978年に成田空港が開港した際に、ほとんどすべての国際便を羽田空港から成田空港へと移転させた。これによって、容量問題に多少の時間的余裕が生じた。しかしながら、長期的な解決のためには、羽田空港の容量を拡大することしか解決方法はなく、その容量拡大策として沖合展開事業が実施されている。沖合展開事業は、1)滑走路数を交差している2滑走路から平行滑走路を含む3滑走路へと1本増加させる、2)空港全体を東京湾側に移動させることによって周辺の騒音問題を緩和する。騒音の緩和は空港利用時間(離発着可能時間帯の拡張)の延長をもたらすので容量拡大に資する。

 

新C滑走路の供用開始

東京国際空港(羽田空港)の沖合展開事業によって三つの滑走路が整備されるが、それぞれ新A、新Bおよび新C滑走路と呼ばれている。このうち、新B滑走路が横風用であり、新Aと新Cが平行している。羽田空港の沖合展開事業は三期に分けて実施されているが、現在第3期の半ばである。展開事業が完成すると、離発着回数が展開前の年間16万回から25万5千回まで増加する。第一期事業として新A滑走路が1988年4月に完成し、第二期事業として1993年9月に新旅客ターミナル、通称ビッグバードの供用が開始された。新C滑走路は第三期事業の中核プロジェクトであるが、1997年3月に完成し、供用が開始されている。新B滑走路の供用目標時期は2000年3月であり、これをもって羽田空港の沖合展開事業は完了することになる。

 

 

 

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