物流におけるモーダルシフトの推進
本来は貨物の特性に応じた各交通機関が担当する貨物の移動を指すが、実際にはトラック運送から、海運・鉄道運送への貨物の移動を指すことが多い。道路混雑、自動車の排ガスによる環境の悪化、道路交通安全上の問題、エネルギーの効率的な利用、若年労働力の不足等のさまざまな問題が近年の道路運送を難しくしている。これらは物流の効率化、並びに物流コストの低減にも好ましくない影響を与えるので、貨物の特性に応じた交通機関の利用が求められるようになってきている。モーダルシフトのためには、海運や鉄道の輸送能力と利便性の向上はもちろん、トラックとの積み替え効率の向上などの輸送の結節点での円滑化が必要不可欠である。
複合一貫輸送の推進
異種交通機関にわたって貨物を輸送することを複合輸送という。しかし、複合一貫輸送には、そうした異種交通機関にわたる貨物輸送を効率的に円滑に行うという意味が込められる。異種交通機関にわたる輸送では、貨物の積み卸しにおいて時間やコストが多くかかることが予想される。これらを最小に抑えることは物流効率化のために不可欠である。そこで複合一貫輸送が推進される。例えば、海運ではロールオン・ロールオフ船の活用、鉄道ではコンテナ列車の充実などが進められている。貨物の積み替えに関する環境整備についても重点的に投資が行われる。また、一貫パレチゼーションの進展も複合一貫輸送のための必要条件として考えられている。