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はじめに

 

経済・社会のグローバル化とともに、諸外国において日本の制度・習慣に関する研究の要請が高まっている。特に、運輸部門は、国際化のための基礎的なインフラストラクチャーを提供するとともに、1つの産業として大きく発展しており、その研究・分析は各国研究者の関心の対象となっている。

わが国の運輸政策は、1996年12月に発表された需給調整規制廃止に見られるように市場原理の活用を基本理念とするなど、いわゆるグローバルスタンダードの方向に向かいつつあるが、これまで蓄積された政策は日本に固有の制度・習慣に基づいて形成されており、このことが諸外国の政策担当者や研究者がわが国の運輸政策を理解する際の1つの障害になっている。今後さらに活発になると思われる国際的交流において、わが国の運輸政策が的確に理解されるためには、わが国の政策論議において使用されている用語およびその背景にある様々な事情の正しい理解が必要である。

本書は、以上のような認識に基づき、諸外国の政策担当者および研究者に日本の運輸政策についての正確な理解を促すために作成された運輸関連用語の解説辞典である。

刊行にあたって、内容の執筆、編集に携わった日英運輸用語辞典作成グループの各委員のご努力、また、日本財団のご援助に対して心から敬意を表するとともに深甚な感謝を捧げるものである。

政策関連の国際交流は今後、運輸部門を含むあらゆる分野でさらに活性化するものと思われ、今回の運輸部門における用語辞典の作成が他の分野の先駈けになれば幸いである。

 

2000年3月

東京財団

会長 日下公人

 

 

 

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