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(6) 演題:「失った自然を取り戻すために〜環境復元への挑戦〜」

講師:海をつくる会 工藤孝浩氏

 

司会(清水) それでは皆様、大変お待たせいたしました。ただいまより海事講演会〜海と船の環境を考える〜、本日は第6回目といたしまして「失った自然を取り戻すために〜環境復元への挑戦〜」ということで、海をつくる会の工藤孝浩さんによります講演会を開催いたします。

皆様のお手元のレジュメにもありますとおり、工藤さんは現在神奈川県の水産総合研究所の主任研究員ということで活躍されてまして、学生時代から首都圏の海に潜って生物と環境の調査を続ける一方で、海底清掃などのボランティア活動をして現在に至っている方です。

専門は魚類生態学ということで、一度破壊されてしまった自然をどのようにして再生していったらいいのかということを、いま研究なさっているところです。

本日は約1時間というお時間ですが、大変有意義な話をお聞かせいただけると思います。それでは工藤さん、どうぞ。皆様、拍手でお迎えください。

工藤 ただいま紹介にあずかりました工藤です。よろしくお願いいたします。見てのとおりの弱輩ものです。横浜の海辺で育ちまして、私が子供のころすでに横浜の中心は身近に緑がなく、非常に生き物好きの子供だったのですが、身近なところで生き物に触れ合える場所というのは横浜港の岸壁でした。釣りなどに出るとダボハゼなどが釣れまして、フナムシやカニなどが岸壁でゴソゴソしている、けっこう面白い場所だったわけです。

そんな生き物と親しみつつ育ちまして、このような魚好きの子供がそのまま大きくなってしまったような人間ですが、ご紹介にもあったとおり、県の主任研究員という顔と、ボランティア活動をやっている顔と、いくつかの顔を持っている人間です。

いま私がライフワーク的に目指しているところが、失われた海辺の環境をいかに復元するかということです。いま東京湾の海の上に皆さんいるわけですが、そこで生き物がどんな暮らしをしているか。その生き物たちの力を利用して、環境復元というのがどのようにできるのか。そこにかかわるわれわれ市民のやり方をいま模索している最中です。それではこれから約1時間、スライドとOHPを交互にお見せしながらご説明のほうをしていきたいと思います。

 

 

 

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