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一人暮らし、あるいは配偶者だけと生活する者の場合は、これらのケースより短い援助を受けている。この場合にも、自立度と援助時間の関連が認められる。ただし同じ自立度の高齢者を比較した場合には、所得、学歴、社会階層などとの関連は見られない。

 

図表37:要介護度別高齢者が受けた援助時間(1996年)

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出所:Insee, enquete Services de proximite, 1996

 

〔要介護高齢者を世話する人〕

フランスの子どもは、経済的に独立できるようになった時に親元を離れて生活するようになり、結婚する時に両親と同居する若者は皆無に等しい。しかし、たとえ親子が別居していても、家族の結びつきが弱いというわけではない。国立統計経済研究所(INSEE)のアンケート調査でも、身内や近所の人などプロではない人々による介護は、要介護のレベルに関係なく、プロのヘルパーにより広く行われているという結果が表れている。高齢者の半数は、非プロの援助しか受けていないのである。援助されている時間を計算することは難しいが(特に家族が援助しているケース)、軽度の要介護者の場合でも、身内が援助している時間はプロによる援助の2倍か3倍に相当しているとみられる。

自立を失った高齢者が、ヘルパーを職業とするプロの援助を受けているか、あるいは身内や近所の人など非プロ(報酬を払っているケース含める)によって世話してもらっているか、どの程度の援助を受けているかをみてみよう。

重度の要介護高齢者(ベッドやイスから自分では動けない者、入浴・洗顔・衣服着脱に援助が必要)の8割が身内の援助を受けているが、そのうちの半数は非プロの世話のみを受けている人々である。プロの援助のみを受けているのは5人に1人、プロと非プロの両方の援助を受けているのは3人に1人となっている。

障害度を無視して要介護高齢者全体としてみると、半数強(55%)がプロの援助を受けている。要介護高齢者がプロの援助を受けるか否かは、その人が孤立しているかどうかに最も関係している。

 

 

 

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