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現在、中国の都市人口(県レベルの小都市の人口を含まず)の割合は総人口の約33%(1994年現在)であるが、2010年には比率は45%になると予測されている。また、中国の移動人口は、1980年代前半は年平均1千万ぐらいであったものが、1980年代後半以降には3千万人(年平均)になっている。移動人口のほとんどは農村から都市への移動で、その年齢は主として15歳から35歳までであり、こうした若年層の地域ばなれは家族の絆を弱めるとともに農村部の高齢化や過疎化を進行することとなる。

時代の流れとともに生活様式と価値観の急激な変化で世代間の乖離も生じてきている。1999年3月に、上海「新民晩報」(夕刊)紙が実施した「老親と子供の同・別居、どちらがよいか」についてのアンケート調査では、「別居」に賛成した者は6割、「近距離での別居」に賛成した者は3割で、「同居」に賛成したのは1割しかない。高齢者世帯も子ども世帯もともに同居を好まなくなっていることを明らかにしている。

 

 

 

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