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ふれあい社会づくりグループ

 

ネットワーカー養成事業

「実験的学習会」の進捗について

 

ネットワーカーを11年度から養成していくことを目的として、モデル地区を設定して調査研究を2年間行ってきた「ふれあいネットワーク事業」も終盤にさしかかり、現在は、ネットワーカー養成のためのマニュアルを作成中ですが、ここでは、ネットワーカー養成のための実験的学習会について、簡単にご報告します。

 

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第2回実験的学習会のフィールドワーク結果発表の様子

(発表者は世田谷区の阿部温子さん)

 

「実験的学習会」とあえてしたのは、ネットワークの仕方やネットワーカーのあり方などは、地域や分野、人口規模などによってさまざまであり、事例を積み上げていく必要があるということによります。そこで、実験的学習会は、10月19、20日の2日間、15時間のカリキュラムの中で、全国のネットワークの実例発表7ケースをもとに、また、当財団が調査した手法をご報告しながら、共通項を洗い出し、課題を整理して、参加者それぞれがフィールドワークのテーマを設定しました。そして、地域で実際にフィールドワークをした結果を12月11、12日の2日間で発表し整理するという手法をとりました。

そこから出てきた課題は、[1]調査についてはハードルを低くし、10時間コース、100時間コースというように活動に入りながら調査票をふくらませていくことが必要。ただし、調査は不可欠なことから、マーケットリサーチの手法を学ぶとか、知っている人の力を借りるなどの具体的な手がかりを見せていく必要がある。[2]ネットワークの仕方については、中間支援機関とのネットワークの必要性、連携プレーの成功・失敗事例の積み上げを提示する。[3]創出への働きかけについては、たとえば、食事、移送、宅老所(ミニデイ)、代行などの足りないサービスは全国に共通しているため、足りないサービス創出の方法の共通マニュアルを作成する必要がある、といった課題があげられました。またネットワーカーというネーミングがわかりづらい、ネットワーカーにはオンブズマンの機能を盛り込むべき、行政とは別の価値観を持った活動として位置づける、といったさまざまな意見が出されました。

いずれにしても、11年度から実際に養成講座を開催しながら、さまざまなタイプのモデルを積み上げていくことが、今後の大きな課題となっています。

(奈良環)

 

●第1回実験的学習会事例発表者(敬称略 50音順)

岩澤雅子(横浜市川井地域ケアプラザ所長)/岩見太市(渓仁会医療福祉部長・当時)/岸本和行(高浜市社会福祉協議会事務局長)/椎野恵子(潤生園在宅支援サービス部長)/高砂裕子(南区医師協会南区メディカルセンター訪問看護ステーション管理者)/矢野正広(とちぎボランティア情報ネットワーク事務局長)/山越孝治(せんだんの杜市民・ボランティア活動応援センター)

参加者はスタッフを含む25名

 

●第2回実験的学習会のフィールドワーク結果発表者(敬称略 50音順)

阿部温子(東京都世田谷区)/稲川寿子(世田谷区)/井村栄一(東京都港区・当日欠席、代理発表本間郁子)/大塚恭子(埼玉県戸田市)/菊池一郎(北海道札幌市)/北野肇一(大阪府泉南市)/椎野恵子(神奈川県小田原市)/島本隆視(広島県呉市)/鈴木勝(東京都町田市)/図子俊子(神奈川県横浜市)/高砂裕子(神奈川県横浜市)/林宏(埼玉県日高市)

参加者はスタッフを含む16名

 

 

 

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