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普段着の近隣型助け合い講座 NO.12

「わかるふくしネットワーク」主宰

木原孝久

近隣づくりのキーマンとなるホスト役

 

最近話題になっているグループホーム。グループリビングなども同義で、少人数の人たちが共同で暮らす小規模の施設のこと。互いのプライバシーや自立を尊重した上で助け合う「人と人との普通の関係を大切にした」生活空間です。個室以外のキッチンや浴室などが共有スペースになっているあたりは、江戸時代の「長屋」を想起させます。

本連載に即せばこれは「近隣づくり」とも考えられます。これまでは既にある近隣を助け合える場にする方法を考えてきましたが、その近隣を意図的につくるという発想もあったのです。

埼玉県浦和市の、あるグループホームのオーナー・Oさんの話を聞いていて、「人工の近隣」づくりの要件みたいなものがあるらしいとわかってきました。助け合えるには日常的にふれあいを重ねなければならないので、わざと共有スペースを設けたのです。それだけでなく、人数も、「二、三人なら、一旦けんかになったらもたない。十名以上だと規則が必要。ベストは六、七名」。しかも「男性はお断り」だと。「女性は共同生活に順応性があるし、けんかをしても仲直りができる」

「トラブルが起きても、腹蔵なく言い合うようにしている」が「やっぱり他人同士だから、最後のひと言は言わない」。そこが心配といえばいえるとOさん。

 

 

 

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