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喜・涙・笑 ふれあい活動奮戦記

 

生活支援介助サービス『ハートぽっぽ』(東京都)

市民が立ち上がり声を上げてみなで知恵を出し合いながら安心して暮らせる社会システムをつくりたい

 

「住民参加型のNPO団体には、本来、"お互いさま"の気持ちを持って、家事支援をするとか、一人暮らしの方の話し相手になるといった、心のふれあいを大切にした活動が求められるのかもしれませんが、それだけでは成り立たないというのも、巌然たる事実として一方の側面にはある。また介護保険制度が施行されても、それだけですぐに限界に達している家族介護が救われるとは思えません。

たとえば、一番重い認定を受けた方の一か月分の介護料が仮に三六万円として、訪問介護の一時間単価を四〇二〇円で計算しても、一日三時間が限度。全面的な介護か必要な方の残り二一時間をどう組み立てたら在宅生活が継続できるのかが問題です。ましてや障害児者などは、介護保険の対象にならない人も多い。そういう一番大変なところ、一番しんどいところを何とか救い上げていく社会システムをつくり上げていかなければ、本当の意味での市民活動にはならないのではないでしょうか」

 

キビキビとした口調でこう提言するのは、二〇年のボランティア活動を通じて、あらゆるニーズに対応する三六五日・二四時間型の生活支援介助サービスを行う『ハートぽっぽ』の代表を務める吉田世津子さん。

 

ハンディキャップを持った人たちの地域での生活を支えるために

 

『ハートぽっぽ』は、そもそも、約二〇年前に重症心身障害児の母親を中心に結成された『でてこいサークル』を基盤とする団体。

 

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民間のマンションの一室が事務所。

 

 

 

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