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立ち上げ後の課題は事業の評価だ。貴重な税金から補助金を出すに値する事業かどうかの判断基準づくりは制度の存立にかかわる。利用者・家族を加えた事業採択・評価委員会がそれに当たることになっているが、実はこれがむずかしい。都市開発と住民参加の先駆自治体と全国に知られてきた武蔵野市。この際、民間非営利事業を評価するための基準を全国に先駆けて開発してもらいたい。

 

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「川路さんち」のメインルーム。

 

「良福祉中負担」の実現めざす

土屋正忠武蔵野市長

 

「日本は人口が少なく土地も安い北欧のように高福祉高負担は無理だし、米国的な低福祉低負担も国民が納得しない。人間関係が緊密な日本にふさわしく、コストを抑えられるよう工夫した仕組みがテンミリオンハウスだ。その実験は1987年にオープンした小規模施設「北町高齢者センター」で行い、住民参加と小規模化によるコスト削減効果は実証済みだ。

この構想は、税方式か社会保険方式かの議論が生煮えのまま法制化された介護保険は行き詰まると考えて実施した。

21世紀の福祉は自助・公助とボランティアによる共助のベストミックスで支えるべきである。共助については、行政はその条件を整え、その先は市民自身でやってもらいたい」

 

 

 

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