日本財団 図書館


たとえば組織運営もそのひとつ。事務担当、渉外担当、経理担当などそれぞれの役割分担がきちんと決められているため、会員管理から会計管理、システム運用管理までが非常に効率的に行われているほか、行政との連携も積極的に図られている。また、障害を持った方も理事を務め、利用者の立場からさまざまな活動に参加しているなど、健常者と障害者の区別もなく、各々が今使える能力をできる範囲で提供し合い、相互扶助を図っている点が注目される。

このように、これまでも質の高い市民活動を展開してきた同団体だが、設立一〇年目を迎える今年は、特定非営利活動法人として新たな一歩を踏み出す予定だという。

「そのために、『ジャパン ヒューマン ハーバー』を解散して『サポート 出会い』を設立し、必要な書類を整えて昨年の十一月に東京都に申請を行いましたので、順調にいけば三月には、認証が下りるはずです。法人化に踏み切ったのは、会の対外的な信用強化とともに継続性を持たせるため。また、公的介護保険が施行されたとき、法人化して指定事業者になれば、利用者で要介護認定者の方は、今のヘルパーに来てもらえ、認定されたサービス時間分は、公が九割負担するので費用の負担を軽くすることができる。ヘルパーが将来、介護福祉士の資格を取りたいと思ったとき、受験資格は五年間法人で働いた実績が必要になりますから、法人化はヘルパーの働く意欲を増進させるなどのメリットも考え合わせてのこと。いずれにしても、法人化により、より一層高い福祉を実施できるよう、私も最後のご奉公のつもりで基盤づくりに専心したいと思います」

 

041-1.gif

世田谷区身体障害者福祉協会の方たち。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION