喜・涙・笑 ふれあい活動奮戦記
NPO法人になることでより一層質の高い運営を目指します!
『サポート 出会い』(旧ジャパン ヒューマン ハーバー・東京都)
「昨年の八月末に、ヨーロッパの医療福祉施設見学の旅行に参加したんですか、最も印象に残ったのは、パリの老人ホーム。この施設は八五歳以上のお年寄りが中心で、多くの方が痴呆症だったり、おしめをしていたりといった状況でしたが、ホーム内に美容室があってみなさん身ぎれいにしているばかりか、赤やグリーン、ブルーなどの美しい服をまとい、ブランド物のバツグを持っている方もいました。人生の最後まで人間らしく過ごしてもらうのがホームの方針と伺いましたが、それに比べて日本の現状を見ると、なんと心寂しいことか。たとえば、四月からはじまる予定の公的介護保険のサービスは、介議という技術によって身体の安全を守るのが目的ですから、要介護認定を受けても短い時間内で食事や下の世話をするだけで、ヘルパーさんはお年寄りとゆっくり話をする時間などありません。これだけでは人間扱いというより、品物扱いになってしまいます。そう考えると、やはり、日常の家事や生活援助を通じて、そのご家族も含めた心のケアに携わるのは、われわれのような市民ボランティア団体の役割なのだろうなと改めて感じましたね」
こう語るのは、『サポート 出会い』の理事長を務める田中幸穂さん。
人生のお礼奉公として理事長を引き受けた
『サポート 出会い』の前身である『ジャパン ヒューマン ハーバー』は、そもそもは三人の障害のある方が、「前向きに人生を送りたい」との思いから発起人となり、一九九一年四月に設立された市民互助型の在宅福祉団体。
