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ひとりごと No.52

堀田力

科学の才能や数学の才能というのは、人間にとって、あまり価値の高いものではないような気がする。科学や数学は、太古の昔から自然界にすでに存在していて、ただ、人間はまだ気付いていない事実やルールを発見していくというだけのものである。その発見により、物質的な豊かさは得られるであろうが、精神的な豊かさをつくり出す力はない。これをつくり出すのは、科学も数学も関係がない、人間自身の持つ力である。専門的能力にまどわされることなく、自分の生きる力を高め、生きる喜びを広げていくのが幸せへの王道であろう。

 

 

 

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