普段着の近隣型助け合い講座 No.8
「わかるふくしネットワーク」主宰 木原孝久
助け合いに欠かせない「やらせ屋」さん
このシリーズの第一回目に、長野県茅野市の(住民向けの)調査結果を紹介しました。「障害を持っている方やお年寄り等が困っていたらどうしますか?」という質問で、「積極的にかかわる」と答えた人が一三・五%あったと。この人が「お節介屋さん」で、地域に七人に一人もいるというわけです。
実はこの調査でもう一つ大事なことがわかりました。回答で最も多かったのは「頼まれればかかわる」で四三・三%。半数近くがこう答えているのです。お気付きかもしれませんが、これが日本人の文化風土なのですね。「積極的にかかわる」と、"お節介"呼ばわりされるけど「頼まれてかかわる」なら安心…。近隣ならなおさらです。
「頼まれなければ動かない」のでは困ったものだと言う人もいるでしょうが、「ものは考えよう」。これをひっくり返せば「こっちから頼めばやってくれる」のだから、それもいいではありませんか。
そういえばこんなことを思い出しました。埼玉県の和光市だったと思いますが、ある民生委員さんが「○○さんを支える会」を作ったと言っていました。担当地区に、外出好きな寝たきりのお年寄りがいて、その外出支援のネットワークを近隣の十軒くらいで作ったというのです。